
《水車小屋》 P8 2012
ここは、山梨県旧北巨摩郡武川村、現北杜市武川町にある公園の一角にあり、小屋はどこかから移築したものであろう。もちろん、水を引いて水車は回っている。背景の右側に聳えるのは、甲斐駒ヶ岳である。真冬と違い、そろそろ霞がかかってきて山並みが薄ぼんやりと見えにくくなってきている。教室の生徒たちと写生に来ていたが、2日目のお昼に、不幸なことが起こった。( ただ、このことは、声を小さくして言うと、当事者以外には、かなり傑作だったのだが ! )
正午になり、「さあ、お昼にしましょう」ってことで、画面右手の ( 描かれていない ) 東屋に皆が集まりかけたところで、「きゃあ」とか「ひゃあ」とか悲鳴が、、、。何事かと思いきや、3人のあらかじめ置いといたお弁当が何者かに持ち去られ、その中のうどんが、不幸にもくちゃくちゃに地面にばら撒かれていたのだ。犯人は、さっき、我々の目の前を堂々と上昇していった一羽のカラスに違いなかった。その証拠には、ヤツの翼のあおりかたがやけに自信に満ちていたのと、上昇中にチラッとこちらを見やったあの目つきがいかにも人類に対する侮蔑の眼差しであったからに他ならない。
このことでわれわれは学習した。人間より賢いのは、猿でその次はカラスだと。しかも、カラスにとって、うどんは、唾棄すべき食物でしかないと言うことまで。貴重な写生会だった。