
描くということ
私が作品に表したいと願う最も大きなテーマは「時間」である。私の目の前でふと過ぎていく、さまざまな何でもない、ほんのちょっとした、いわば大地のきらめきのようなもの。それはススキの穂先を波打たせていった風であり、気まぐれな陽射しが壁に刻んだ影であり、視界の片隅を横切った隼の微かな羽音であり、犬達が鼻をあげて感じ取ろうとしている「なにか」である。その時私は筆を持ってその場に立ち会っているのだ。何十時間その絵に費やそうとも、私が描きたかったのはほんの瞬きする一瞬に過ぎない。私が立ち会っている、いま、この瞬間こそ、私の人生にほかならないのだ。
佐野紀人プロフィール
- 1948年山梨県生まれ
- 1966年山梨県立甲府第一高等学校卒業
- 2005年大泉「谷桜酒造」にて初個展
- 2006年〜08年銀座「OS画廊」にて個展
- 2009年〜19年銀座「ミレージャギャラリー」にて娘、馨と親子展
- 2020年〜隔年甲府「ギャラリーヴァーユ」にて個展


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