
《影》 P8 2008
これは、白州に住んでいる友人が森を散歩中に見つけたカモシカの頭蓋骨である。時に、こうして獣の頭を見つける事があるが、大抵の場合、下顎は無い。肉や筋がなくなった頭蓋骨は下顎は分離してしまうので他の獣に持って行かれてしまうのだろうか。しかも、この個体には、鼻先も失っている。事故か、天命を全うしたのか定かではないが、森の奥深くで静かに朽ちていくつもりだったろうに、こうして、私のテーブルの上で矯めつ眇めつ眺められ、絵にまで描かれたカモシカは、さぞ居心地が悪かろう。朝の光の中で、長く伸びた影が非常に美しいと思った。