第12回 遊彩会展を開催します。 4月28日〜 於山梨県立美術館詳細はこちら

《 長坂町 白井沢の桜 》 

長坂町 白井沢の桜 

《 長坂町 白井沢の桜 》 M10  2026


制作過程

長坂町 白井沢の桜 制作過程1
  1. ここは長坂町白井沢、田舎蕎麦「くろべえ」の前庭から描き始めた。写生会以前にこのお店で2回蕎麦を頂いて、美味しかったのと、店からのロケーションが良かったのとで、ご主人にお願いした。この前庭で写生会をしたいのですが、いかがですか?と。勿論、参加者は「くろべえ」で食事をする、約束で。快諾していただいた。ちょうど、翌週の水曜日頃が満開予想なので、水曜日の教室 [水遊会]に打診して、予定に入れてもらった。
  1. この日はかなり気温が下がって、8:30に到着したが、風が猛烈に冷たかった。11:00過ぎてから、やっと風が止んで、絵が描ける状況に。天気予報では昼からポカポカ陽気になるとのこと。右の山は甲斐駒ヶ岳である。
長坂町 白井沢の桜 制作過程2
長坂町 白井沢の桜 制作過程3
  1. 目の前の高台の土手に桜並木があるのだが、高台の上は畑になっており、手前は田圃なので、桜はそのどちらにも邪魔にならない所に植えられている。「くろべえ」の一つ上の家のご主人が「うちの曾祖父さんが植えただよ」と仰っていた。
  1. 桜の周辺をほぼ描き終えてから、桜の花びらを描き始めていったが、初め点描で描き進めていたが、どうも印象が違ってくる、しばらく絵を前にして見比べていたが、やがて気が付いた。リズムが描けてないのだ。山の稜線には、その山容のリズムが、林には林のリズムが、草原には草原のリズムがあるように、桜には一本の花の流れとともに繋がった木々のうねりのような流れがあるのだ。それからは、部分を描きながら、常に全体の流れを意識しながら描き進めていった。
長坂町 白井沢の桜 制作過程4
長坂町 白井沢の桜 制作過程5
  1. ここまで描き進めて来て、背後の山並みに北岳が描かれていない事に気が付いた。木立の中で見えづらいところではあるが、北杜市民として北岳を外すわけにはいかない。よく見てみると、鳳凰三山がもっと左へズレるべきなのだ。南アルプスを愛する岳人諸兄にお目玉を喰らうとこだった。
  1. どうやら、背景も前景もまとまってきて、あとは、桜の左端の部分を加えていくだけになった。画面三分の一の横線は、農道だ。これが、画面全体を引き締めている。
長坂町 白井沢の桜 制作過程6
長坂町 白井沢の桜 制作過程7
  1. 写生会の朝、描き始めた私に向かってご主人が「あのトラクターは邪魔じゃあないですか?」と話しかけてこられたが、私にとっては、返って良いモチーフだった。こういう里山の風景には、生活の匂いや痕跡があった方が、相応しいから。桜の花びらに手こずったが、どうやら完成した。

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